BLOG
WEBデザイナーという仕事について語ってみる
2021/05/06 22:04
はい、俺です。
今回は珍しくコラムです。長いですはい。
WEBデザイナーとして制作会社に就いて丸4年が経ちました。
同期は既にみんな辞め、先輩や同僚もほぼいなくなりました…
なぜなのか?
社風が合わない、仕事が合わない、居心地が悪い、仕事がきつい、人間関係がうまくいかない、いろいろあるとは思いますが、今回は仕事の事なんかを語ってみようかと思います。
今の会社でのポジション的にはすごく微妙な立ち位置にいますが、それは結局自分が中途半端な人間だからです。
せっかく拾ってもらえた会社なので自分なりの恩返しができるまでは何とか頑張りたいなと思ってます。
あくまでも先人達がいたから今の自分が居るんだという部分、そういう敬意を忘れてはいけません。
目次
・WEBデザイナーとは
・なぜWEBデザイナーになったのか
・WEBデザイナーになるには
・WEBデザイナーのしんどいとこ
・WEBデザイナーの未来、将来性
・あとがき
WEBデザイナーとは
WEBデザイナーってのは単純にホームページ(HP)作る人です。
HPを作りたいというクライアントがいたとして、それを実際に形にする人の事ですね。
・制作フロー
いろんなやり方がありますが。ざっくり説明すると
ヒアリング→モック(ワイヤー)作成→コーディング→リリース
…という流れです。すごくざっくりですが。
サイト自体のデザインをどうするとか、ロゴや写真や画像の用意はどうするとか、テキスト箇所はどうするとか
その辺をまずヒアリングします。
ワイヤーフレーム的なモックデザインをこちらで起こしてクライアントに見てもらいます。
この時点でいろんな提案を出します。
「なぜこのデザインなのか」
「なぜこの配色なのか」
「なぜこのコンテンツ、構成なのか」
ほぼ意味なんて後付けです。
納得させられたらそれでいいと思ってます。
ただ、前提となるルールも存在すると思うので、その辺は踏まえます。
あくまでもユーザーファーストです。
クライアントのワガママも聞きつつ、訪問者目線で導線等を考えなければいけません。
なぜWEBデザイナーになったのか
俺がWEBデザイナーを目指したきっかけというのは約17年ほど前にさかのぼります。
初めて「HTML」というものに触れたのが2004年くらいですかね。
当時は今でいうアメーバとかFC2みたいなBLOGサービスが全然普及しておらず、自力でHPを作って、1枚ずつ更新して日記風のサイトを作っている頃です。
いわゆるテキストサイトって呼ばれてたやつです。
侍魂とか絶望の世界とかですね。懐かしい。
そういうのがまだ主流だった頃にHTMLを独学で始めて、レンタルサーバー借りてアップして日記を綴ってました。
ちょうどラオウさん(猫)を飼い始めたばかりというのもあって猫をネタにしたり、後はオリジナルの革細工の紹介とかしてました。
今みたいにECサイト(通販)ってのもそんなになかったので、ネットで物を販売しようなんていうのもまだまだ難しかった時代です。
いろいろと趣味程度にHPをいじっては自己満足に浸り、今度はネトゲにハマりだすとネトゲのギルドメンバーページを作ったりレビューページを作ったり。
そうこうしてるうちにFC2のようなブログサービスが主流になりだします。
そこからすっかりブログサービスで日記を書くようになったんですが
逆に「こういうサービス(システム)を作ってみたい」と思うようになります。
いきなりめちゃくちゃハードルの高い目標を持ってしまいました。
そういうシステムをCMSって呼んだりするんですが、最終目標はシステムエンジニア・プログラマーになりたいと思いました。
単純に何かを作るということが好きだったんです。
好きなことをしてご飯が食べられるならそれが一番の幸せだ、と。
シンプルにそう考えた時に「俺の夢はWEBデザイナーだ」と決心が決まったんです。
そこから怒涛の面接地獄が始まります。
どうにかしてIT業界に潜り込みたいと思い、制作会社へ面接へ行きまくりました。
個人のサイトやゲーム紹介のサイトをポートフォリオとして。
結論から言うと書類選考を含めると全部で70~80社近く落ちてます。
それが今から約13年~4年前までの話です。
何回も転職しようと面接に行った約10年間での面接回数や、返却された履歴書の数とか絶望するレベルです。
WEBデザイナーになるには
前述した通り、面接に落ちまくってたんですが、どうしても諦めきれずに転職活動は続けてた訳です。
制作会社ではないけど、一応ネット関連の会社でアルバイトしながらもちょいちょい面接に行ったりして、チャンスを掴み取ろうと行動には出してました。
諦めかけた時もありましたが、たまたま個人でフリーランスとしてHP作成の仕事を紹介してもらったのをきっかけに自分のポートフォリオが少しずつ増えてきた時期があったんです。
そう、それが転機でした。
フリーランス時代というものが一瞬だけあったんです。
とは言っても営業の知識なんてないし、プログラムに関してもまだまだド素人のレベルです。
何とかWordpressでオリジナルのテーマがギリ作れるくらいのレベル。
でもこの経験が大きくその後の面接を左右しました。
今までは「古いデザイン」「個人用」「対しておもしろくないニッチなコンテンツ」という自分のポートフォリオを武器にしてたんですが、それが全く評価されていなかった訳です。
それが、フリーランスとして受けた仕事によって「友人の為」「トレンドのデザイン」「訪問者目線のサイト」というちゃんとしたホームページを作った実績ができた事で今の会社の目に留まる事ができたんです。
別に全然凝ったデザインでもなく、見やすくて内容が分かればそれでよかったんです。
面接してくれた上司は、その時の面接の事をこう語りました。
「友人の為とか、誰かの為に何かを作るという気持ちの部分をまず第一に評価した」と。
それがちょうど4年前の出来事です。
めちゃくちゃ嬉しかったです。
今の会社に入れた事って、実は俺の人生で嬉しかったベスト3に入る出来事です。それくらいに自分にとって大きな一歩だと感じてます。
10年以上も面接に落ちまくってやっと初めて入れた制作の会社ですからね。
もちろん既にその時の俺は年も年でしたし、そこに対しての社員内での反感もあった訳ですよ。
入った職場の社員がほぼ年下だなんてお互いに気を使いますもんね。
将来設計を考え、あらゆる事を視野に入れ、今何をしたいのか、今後どうして行こうと思ってるのか、年齢というハンデを自分なりにどう克服しようと考えているのか
その辺りの事をうまく伝えられた事がラッキーパンチだったかもしれません。
今から正にWEBデザイナーを目指そうと思っている方はまず「ポートフォリオ」を作るということから始めるといいと思います。ありがちと言うか、つきなみですが。
取り合えずHTML、CSSを勉強して、サーバーにアップする。それだけです。
最初は敷居が高いですが、昔に比べると独学しやすい時代になってます。特に最初はYoutubeとかの動画で解説してるやつとかいいんじゃないですかね。
よく誤解されがちなんですが、プログラム体験するのは簡単です。PC持ってれば誰でもできます。別にそんなに特別なソフトもいりません。
例えばWindowsの人ならアクセサリに元々入ってる「メモ帳(notepad)」を開いて下記のコードをコピペして「index.html」という名前で保存。
<p style="font-size: 30px; font-weight: bold; color: #e00;">MENONEN</p>
後はそのファイルをドラッグしてブラウザに突っ込んでみてください。
赤い太い文字でMENONENが表示されると思います。
これがプログラムの最初の一歩です。
俺が一番最初にHTMLを書いて試した方法がまさにコレでした。
ここからいろんな書き方を独学で覚えて知識を増やしていく訳です。
いきなり「ホームページを作りたい」なんて思っても、そこまでに踏まなきゃいけないプロセスが多いのでハードルは高いかもしれません。
でも1つ1つをクリアしていく事が大事なんですね。
だいたい初心者向けプログラム関連の記事の一発目が「Hello World!」を表示させるとこから始まってるのはそういうとこです。
1枚のページとしてサーバーにアップするというとこまでの道のりがまぁまぁ長いんですよ。
でもポートフォリオが完成するくらいにまでなれば、きっともうほぼHTMLの知識はついてるでしょう。
そしてポートフォリオを武器に面接に行きまくって、自分がどうなりたいか、何ができるのかを存分に語ってみてください。
ちなみにWEBデザイナーに向いてる人ってのは「ものづくり」が好きな人だと思ってます。
達成感とかを嬉しく感じられる人は気持ちのいい仕事になるはずです。
ちなみに給料はそんなに期待できる訳でもありません。会社や自分のスキルによるとしか言えないですが…
一般的なWEBデザイナーの平均年収が447万円とどこかの記事で見ましたが、俺が思ってるよりは高い数字だなと感じます。
初任給は22万円くらいですかね、いろんな求人見ましたが相場的にはそんな雰囲気。
むしろ最初は時給1,000円のバイトから入っても全然アリだと思います。
WEBデザイナーのしんどいとこ
俺の場合はインハウスデザイナーみたいなもんなので、8割は下請けに近い形でほぼやり取りするクライアントが決まってます。
古くから付き合いのあるクライアントと店舗の運営に関するイベントやキャンペーン等を相談されて、それに見合うサイト内の更新をしていくのがメインの仕事です。
時には大きなリニューアル作業もあります。
ニュース投稿や更新作業が多いので主にWordpressを使うのがメインです。
あとはホームページは一回作って終わり、のようで終わりではないのでその後のケアも必要になってきます。
例えば販売サイトであれば物が売れるようにするにはどうすればいいのかを試行錯誤します。
訪問者が増えないのであれば増えるようにアクションを起こさなければいけません。
クライアントが一番押し出したいコンテンツをどう訪問者に訴えるかという部分を一緒に考えなければいけません。
つまり「作って終わり」じゃないので肩の荷が下りないままなのです。
そして次から次に無理難題を吹っ掛けられ、時にはダサいデザインを求められる場合もあります。
「え?せっかく凝ったデザインにしたのにシンプルに変更するの?」とか。
「余白を取って高級感出したのに、もっとゴチャゴチャ載せたいの?」とか。
そういう【製作者】×【クライアント】×【訪問者】の関係性が壊れるデザインや仕様というのが一番ストレス溜まる部分かもしれません。
クライアントがUI(ユーザーインターフェース)を理解してないパターンが多いので、無茶ぶりしてきて改悪になってしまうのが一番多い例です。
あれもこれもと、いろんな人の意見が入ってくると余計に混乱するというあるあるもよく出てきます。
どうやって納得させられるか、どう折り合いをつけるか、そういうのも仕事のうちになってきてしんどい部分もあるかもしれません。
ある意味それもやりがいのうちなんですけどね。
「クライアントが金払ってるんだから、向こうが言った通り作っておけばいいっしょ!」っていう割り切った考え方でもいいんですが、それだと「一歩上を行く制作会社」としての付加価値がなくなってしまうというのもジレンマなのです。
簡単な話で、競合に勝つには自分らに付加価値を付けるしかありません。
そういったプラスαになる部分を自分らで見出していけたらいいんですが、そういうのを考えて作っていくのもなかなか面白く、そして難しい部分ですね。
ただ、そういう部分も含めてやはりやりがいを感じれる仕事だとは思います。
コードを書いたものがブラウザに表示されるのですから。
さらにそれを動かしたり、動的に変更することもできる訳ですから、無限の可能性を秘めてます。
コードをただガリガリと書くだけの事が好きな人もいれば、戦略までをワンセットにして1つのパッケージとして売り出したいと思う人。
制作会社内だといろんなパターンの人間がいて面白いですね。
あと、制作会社で働いてよく痛感するものとして有名な「顧客が本当に必要だったもの」という風刺の利いた画像があるんですが、まさにコレを感じます。
なかなか皮肉が利いてて面白い表現だなぁと。
こういう「内部でのやり取りの中でのしんどさ」みたいなものも多いです。
これらの悪習を変えて行こうという動きも今まさにうちの会社内で行われている取り組みの1つです。
WEBデザイナーの未来、将来性
WEBデザインってよく「数年後にはAIに取られる仕事」として挙がってるんですが、それ以前にプログラム自体が移り変わりが早くて、言語1つにしてもどんどん新しいものが作られてる現状です。
一番大事なのは「インプットし続ける努力」なのかもしれません。
HTMLとCSSを覚えたなら次はJavaScript!
JavaScriptよりjQuery!
いや、今はReactJS!あるいはVueJS!
そして時代はNetrifyとFirebase!
あとはPython!
いや、その前にWordpress、そしてPHPを極めたい!
それかRubyも!
アプリも作りたいからJavaとSwiftも!
…と、覚えようと思えば覚えられるものが山ほどあります。
次から次に新しい言語が生まれて、トレンドも移り変わります。
例えばHTMLだって最初に覚えた時はHTML3を使ってたはずなのに、途中からHTML4やらXHTMLやらがあって今ではHTML5です。
そういう時代の流れに追いついていく努力は必要になるんじゃないかなと思います。
後は「コーダー」と呼ばれる人で終わらなければ将来性はあるんじゃないかなと。
「コーディングはできるけどデザインはできません!データベースも触れません!」とかだと数年後にはきついかもです。
なぜか?
「コーディングできる人なら安くやってくれる人がたくさんいるんだよねぇ…」という時代がもうそこまで来てます。
そこに対しては俺も危機感を感じてます。切実ですね。
まさに競争率の激しいフリーランスの人達にはきつい時代が来始めてる段階です。
後は気になるところというか、大事なのが「評価」に関して。
こればっかりは社内の制度にもよりますが、「WEBデザイナーは何を基準に評価されるのか?」という部分です。
謎ですよね。
「こんなに難しいシステムを構築したのに」とか
「こんなに綺麗なデザインでサイト作ったのに」とか
「こんなに見られてて売れてるサイトを作ったのに」とか
いろいろと評価されたい部分はそれぞれあると思うんですが、結局制作の売り上げってもんがあるので、全体的な売り上げ次第としか言えません。
めちゃくちゃ丁寧に素晴らしいサイトを作っても、どれだけスピーディーにたくさん案件を捌いたのかっていう方が大事な時だってあります。
役割分担によってチームとして成果を出す、というのも1つのやり方だと思うんですよ。
今、うちの職場でも「LPばかりを特化して作るLP屋」っていう人材を1人探そうかという話が出てるくらいです。
売り上げが伴っていない「こんなにも〇〇したのに」っていう個人の満足度では計ってもらえない評価だったりします。
この業界に限らず「なかなか評価されない」とみんなが感じているのが現状。
ただ、売り上げがない間は誰も評価なんてされないのです。
なので「売り上げを作る方法」というものを提案したり、売り上げに繋がる行動というものに協力していく姿勢を見せていく事も必要です。
「どうせ評価なんてされないし」なんてネガティブな発言ではなく、「何とかして乗り切って、みんなで稼ごうぜ!」という気持ちの部分が大事であり、そういうキツい時こそ士気を上げれる発言ができる人の方が評価されやすいのはどこの会社でも同じでしょう。
愚痴ばかりのマイナス思考ではなく、どう打開していくかが重要なのですから。
「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」この4Dワードのネガティブな思考は表に出さないように。
WEBデザイナーとしての評価を得たいのであれば、クライアントを味方につけ、納期を守り、優先順位を守り、周りをサポートし、なおかつ良いデザインを作る。
そんなスーパーマンになれば自然と認めてもらえるはず。それもどこの会社だって同じですよね。
求められるのは「スーパーマン」なのです。何でもそつなくこなし、うまく立ち回れる人間。
もちろんそんなすぐになんて評価される人はいません、会社内で溶け込むのにも何年もかかるでしょう。
ただがむしゃらにコード書いてるだけでは何も評価してくれません。
なぜか?
コーディングする事なんてそれが前提だからです。
求められたモックデザインの通りにコーディングしたところで誰も褒めてくれません。
せいぜい「もう出来たの?早いね」と言われて終わりです。
大事なのは作成からもう一歩先の「HPによって生み出されるプラスの部分」を求められてるのです。
後は技術的な事で言えば、誰もチャレンジしてこなかった分野をやってみるとか。
「今までに会社内でできなかった事を〇〇さんのお陰で一歩進めることができた」とか、そういうのでいいんです。
不可能を可能にする人間として少しずつでも活躍していけたら、きっと周りからの見る目も変わってくるはず。
あとがき
あなたがいま辞めたい会社は、 あなたが入りたかった会社です。
これは「リクルートエージェント」の有名なキャッチコピーです。
仕事がきついなぁとか、つらいなぁとか、めんどくさいなぁ、と感じた時に思い出します。
自分はこの会社で何がやりたかったんだろう?
自分は一体何になりたかったんだろう?
仕事関係で行き詰った事がある人はそう考える事って多々あると思うんです、ない人はもっと考えた方がいい。
長年自分がやりたかった夢や目標っていうものがあるなら、実現する為には今何をすればいいのか、何を行動すればいいのか。
10年後にこうなってるなら、5年後はこうしていないといけない、3年後はこう、1年後はこう、なら明日からはこうしよう…と見えてくるはずです。
「俺はWEBデザイナーになりたかったんだ」という初心を忘れずに、そしてさらにもっと上を目指せるように努力していかないといけない。
そんなプレッシャーをいい感じに受けつつ、食いっぱぐれる事がなければ俺は幸せかなと。そう感じます。
原点を大事に思っているうちは続けていけるはずなので。
これからWEBデザイナーを目指す人、IT業界で活躍したい人、良いと思います。毎日が新鮮で楽しいですよ。
敷居が下がって今後どんどんプログラムできる人が増えて行くんじゃないかなと予想してます。すでに実際にそういう風潮が見えてますよね。
その反面、競争率が高くなり、簡単にHPが作れるという時代が今以上に進化していくでしょう。
だからこそ、そこからのキャリアパスとしてWEBディレクターや、アプリ屋、システムエンジニアへと進めたらもっと将来性あるんじゃないかと感じます。
興味がある方、ITでの夢がある方、将来の身の振り方に困っている方、まずはもがいていろいろとやってみてください。
うちのアルバイト2名も、入社して早1ヵ月…試行錯誤を繰り返して日々頑張ってます。
ではまた近いうち!
アディオス!
1886 Views
コメントはこちらから